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アタック25出演記・前編(出演準備まで)

クイズ番組の「パネルクイズ アタック25」に出て、16枚のパネルを獲得して地中海クルーズまで行けることになってしまった。その記録を書いていく。

 

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これはトップ賞の副賞としてもらったペンダント。ださい。

 

中編と後編はこちらからどうぞ。

アタック25出演記・中編(リハーサル編) - 日記

アタック25出演記・後編(本番編) - 日記

 

■出場決定まで
この番組はご存知の通り素人が出演するものだ。各地の系列テレビ局で行われる予選(筆記試験と面接)をクリアした人が1年間限定の出場権を獲得でき、番組からの連絡を待つことになる。年代別や職業別など、回によってある程度出演者のテーマがあり、それに沿った人が呼ばれるため、出場権を持っていても、半分の人は出演まで至らない。また、予選は全国各地で行われており、参加者は抽選で決まる。東京の予選はその抽選の倍率がものすごく高いのだとスタッフの方が言っていた。私はなんとなく応募してそのまま出られることになったが、これはすごく幸運なことらしい。

 

「番組に出られたのもすごいけれど出ようと思ったのもすごいな」と様々な人からあきれ気味に言われたが、偶然見た回の問題がとても簡単だったので「このレベルだったら私も地中海クルーズに行けるに違いない」と思い、その場のノリで予選に応募したところ、あれよあれよと言う間に出演が決まったのだった。私は「ちょっと物知り」程度の物知りで、クイズとはほぼ無縁で過ごしてきた(「東大王」は好き)。唯一参加した「高校生クイズ」では1問目の○×クイズで敗退した。

 

予選通過の連絡ははがきでもらった。はがきは大事に、玄関に飾っていた。

 

収録日の一ヶ月ほど前に出演を告げる電話がかかってきた。私が出るのは「20代大会」、回答席の色は緑ということだった。


■クイズの勉強
出場決定後、空いた時間はほとんどクイズの勉強に費やした(誇張ではなく平日でも2時間は勉強していた)。私は月曜日から金曜日まで働いている会社員で、だいたい平日は20〜21時ごろに帰宅している。また、前述した通り、クイズ素養はほとんどない。知り合いが見るかもしれないのにまったく活躍できなかったら恥ずかしいので、せめて1問は取れるようにと、かなり勉強することになった。今思うとやりすぎだ。

 

もしかしたら同じ立場の方が読むかもしれないので、どう勉強したか書いておくことにする。基本的には過去問を解きつつ足りない分野は本を買ったり借りたりした。難易度としては、だいたい中学生向けの本で学習した。

 

・通勤中:本が読めないので携帯電話から過去問を集積しているサイトをずっと眺めた。1日に200問くらいは過去問に触れていたと思う。

 

・昼休み:少し時間をかけてやりたいことをやった。はじめの一週間は図書館で借りてきた故事ことわざ辞典を全部読んだ。次の一週間は各都道府県のホームページを見て、知らなかった市町村の名前などをメモした。また、放送が夏だったので夏の俳句や短歌を調べたり、2018年の50、100、150年前のできごとをメモしたりもした。時間が細切れになったら過去問を1問でも解いたり、勉強した内容をまとめたノートを見返したりした。また事前に「放送日前後の歴史的なできごとやエンタメ情報は予習してきてくださいね」との連絡があったため、Wikipediaを書き写したり、リリースされるCDや公開予定の映画やその周辺知識を調べた。収録日が近くなってきた頃は「朝日ジュニア年鑑」を読むことが多かった。すべての都道府県や国の特色が掲載されていたり、1945年以降のできごとが年ごとにまとめられていたり(例えば1999年はユーロ発足、iモード開始、だんご3兄弟が流行、など)して、本当に役に立った。

 

・家などで細かくあいた時間:世界史・日本史の図録や世界地図、国旗をパラパラ読んだ。CD付きのクラシック音楽の入門書を借りてきて、どの曲を誰が作曲したか覚えるなどもした。中高生向けの「現代用語の基礎知識」や、就活生用の一般常識の問題集を読んだりもした。

 

・休日:まとまった時間を使って読みたい本を週末ごとに何冊か読んだ。子ども向けの人物図鑑は2冊読んだ(最終問題対策)。すべて入門書だが、星座と神話の本、太陽系についての本、歌舞伎の本、西洋・日本美術の本、それぞれの元素を解説した本、名作と言われる文学のあらすじがまとまった本、チャート式(地理)、といったような本をいろいろ読んだ。  

 

上記の勉強は、記憶を定着させるために数日ごとに必ず復習した。

 

オセロの対策は一切しなかった。もともとオセロは苦手なので一ヶ月でどうにかなるとは考えづらかったし、とにかくクイズで正解できれば、そしてその数を積み重ねられれば、勝ちは近づくだろうと思った。泥臭い考え方だが、結果的には間違っていなかった。

 

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勉強に使ったノート。ほとんど一冊使い切った。

 

■その他の準備・外見
「絶対にクイズオタクだと思われたくない」と思い、オタクっぽく見えない服装を考えることにした。私は顔立ちが地味で話し方と声が気持ち悪い。そのハンデを覆すような服を着なければ、気持ち悪いオタク女として画面に映ってしまう。それだけは避けたい。リア充がクイズに挑戦してみました、リア充なのにいろいろ知ってるんです、みたいな感じにしたかった。ファッション誌を読みまくり、自分なりに考えた結果、ノースリーブを着ればどう転んでもオタクには見えないんじゃないかという結論が出た。なんとなく、最後に残るパネルは2枚だと予想していて、2万円の範囲で買い物がしたかった。その枠内で何枚も何枚も試着して、腕が太く見えない一枚をユナイテッドアローズで見つけて買った。セールで6,000円くらいだった。

 

また新婚旅行などで増加ぎみだった体重を結婚式のときほどまで落とした。方法としては、職場で食べるお菓子をグミだけにした(どうしても我慢できないときはビスコを食べた)。グミは脂肪分がほとんどないから。多分2kgくらいは減らせた。また収録前日は塩分を控えた。

 

■その他の準備・応援
応援席には誰も入ってもらわないつもりだった。家族や友人の前で慣れないクイズに挑戦したらあがってしまって本来の力(そんなもんないけど)が出せなくなると思ったからだ。しかも収録は大阪で、ド平日の木曜日。交通費や有給を使って来てもらうのは悪い。そう思っていたが、職場の飲み会で出演の旨を話したところ、「会社から応援の人員をよこさなければいけない」といったムードになり、同僚(役員、上司、先輩)が来ることになった(ありえん)。さらに応援のうちわまで作ってもらった。 同僚という適度な距離感のある人たちに見守ってもらったことで、適度に緊張がほぐれたのですごくよかったと、あとから思った。家族だったらプレッシャーになっていただろう。

 

■心理状態
練馬区内をサイクリング中に道路表示板の「谷原(やはら)」(練馬では有名な大きな交差点)を「たにはら」と読んでしまうなど、本番の日が近づくにつれて、少しずつ精神がアタック25に汚染されていった。

 

私はかなりあがりやすいタイプで、人前に立つとなにも話せなくなってしまうことがある。それがいつ起きるかは自分ではコントロールできないので、収録でそうなったらどうしようという不安がつねにあった。それどころか、極度の緊張によって自分がコントロールできなくなり、変な言葉を言ったり立ち上がったりしてしまうんじゃないかと思うと怖かった。

 

またネットに上がっている出演体験記をいくつか読み、「クイズ研究会がひとりでも混ざってきたら終わりだ」と確信した。 その点に関しては、祈るしかなかった。

 

本番の夢も見た。私と白人男性3人が対決し、源氏物語のマニアックな問題しか出ず、誰も何も答えられないという夢だった。

続きは以下から。

アタック25出演記・中編(リハーサル編) - 日記
アタック25出演記・後編(本番編) - 日記