日記

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アタック25出演記・後編(本番編)

7月15日に放送されたアタック25で地中海クルーズを獲得しました。その記録を前・中・後編に分けて書いていて、これが後編です。後編では収録の本番で起きたことを書いていきます。

 

前編と中編はこちらからどうぞ。

アタック25出演記・前編(出演準備まで) - 日記

アタック25出演記・中編(リハーサル編) - 日記

 

■本番・アタックチャンスまで
オープニングクイズはモニターの向こうから、ゆりやんレトリィバァさんが出題。申し訳ないけど盛大に滑り散らかしていた。でも、おかげで緊張が解けて心拍数が下がった。都市の名前を答える問題で、古くは「ニューアムステルダム」と呼ばれていた、というヒントで、世界史の図録(ピューリタン革命のあたり)を見て覚えた「ニューヨーク」と回答。パネルの中央に緑色が灯る。気持ちよかった。

 

アタック25のボタンの音は澄んでいてきれいだと思う。最も恐れていた無回答の不安から解き放たれた私は、逆に、お手つきの怖さを忘れ、なんだかなんでもいいからボタンを押して、あのいい音を鳴らしたくなってきた。


村のPR動画を見て所在する県を当てる問題が出た。微妙にわからなかったのだが、全員がスルーしてカットされたら村のPRの機会が減ってしまう!という謎の使命感からボタンを押し、お手つきを出してしまった。ちなみに山梨県(村は小管村)が答え。もう一生忘れないと思う。

 

放送はされなかったがもうひとつ微妙にわからない問題でお手つきを出した。緑は盤上から消え失せてしまった。

 

ここでようやく勝ち方がわかった。普通にわかる問題を、他の人より少し早く答えることだ。当たり前のことだが遠回りしないと気づけない。それが本番だ。緊張したり、ど忘れしたりすることはなかったのだが、へんにハイになった心を抑えるために、序盤の展開をすべて他の3色に捧げなければいけなかった。

 

気持ちを入れ替えてからは、わかった問題にだけ回答し、着実にパネルを増やすことができた。ただ、角を狙える問題と、その周囲を固められる問題(ジュラシックパーク初回作の公開年)は、オセロが苦手な私でもさすがに取りに行くべきだとわかったので、少しだけ見切り発車でボタンを押した。どうにか正解できた。

 

角を取ったらぜひガッツポーズしてくださいね、とスタッフの方に言われていたのを思い出して、1とコールしたあとにわざとらしくガッツポーズをかました(公式YouTubeの予告動画にそのときの映像があります)。カメラ目線にはしなくていいですよと言われたけれど、ついついカメラを探して見てしまった。素人中の素人。

 

▪️アタックチャンス、そして結末へ
チャイムのようなベルのような高音が鳴った。アタックチャンスだ。私のパネルはいつのまにか11枚になり、トップを独走していた。緑色は1の角をはじめとする左上に集中していた。ここで1を抜かれたらすべてをひっくり返される恐れがあるので、気が抜けない。

 

桐生祥秀日本記録を出したスタジアムの名前、が、聞かれた。私は答えを知らなかった。まあ、9.98に絡む名前だろうとは予測がついたが、他の回答者が答えないことを祈りながら時間切れになるのを待った。結果、全員がスルー。予想した通り「9.98スタジアム」が正解だったが、そんなことあとから言ったって仕方ない。

 

谷原さんに何度もあの動きをさせてしまい申し訳なく思いながら、ふたたびアタックチャンスノートルダム寺院の建築様式を問う問題だった。すぐにゴシックだと思ったが、少し自信が持てない。全然違ったらどうしよう。でもこの問題は、私以外の誰かが答えてしまうかもしれない。押しちゃえ。で、押した。ゴシック様式で、合っていた。ちょっとした賭けに成功して、左上ゾーンを盤石にできた。

 

そこからはほとんど勝ったも同然で、安心できた。攻められる問題は攻めてパネルを稼ぐことにした。クイズ研究会的な回答(問題文が読まれている途中でほとんど答えがわかり、それが確定したと判断した瞬間にボタンを押すやつ。このときだけほとんど百人一首。)まで繰り出すことができて満足だった。最後の早押し問題の答えになった星野源「恋」は、私の結婚披露宴の乾杯の際に流した曲だった(ちなみにケーキカットはSMAPの「SHAKE」)。星野源さんありがとう!!パネル25枚のうち16枚を取り、最終問題へ移ることになった。

 

問題の映像を流すモニターの準備が終わるのを待つ間には、他の回答者たちと健闘を称えあったりした。あの問題わかったのはすごかったですよね、あそこ攻めましたよね、この枚数なら年末のチャンピオン大会に呼ばれるかもしれないですよ、みたいな。みんなほんとにいい人たちだった。

 

地中海クルーズをかけた映像問題は、湖の名前を答えるものだった。映った建物や料理の感じから関西方面だろうとなんとなく思っていたが、しじみが出るまでは琵琶湖と答えようとしていた。危なかった!宍道湖は近くを通ったことがあったのと、死ぬほどつまらなかった朝ドラの舞台だったことから知っていた。主人公(マナカナのマナ)の組んでいたバンド名が「シジミジル」(のちにSJ、さらにスイートジュノに改名)だった。安直でしょうもない展開ばかりの下らないドラマで、いまだにいくらでも悪口が言えるけど、「だんだん」ありがとう!!!

 

正解だと言われた瞬間から、興奮して気持ちがふわふわしてしまい、きちんとした記憶がない。モニターに映る自分が両手で顔を抑えていて、ああこれではテレビ映えしないなあとか、スタジオのオレンジ色がきれいだな、明るいなとか、そんなことを思った。

 

エンディングでは谷原さんと加藤アナに囲まれてトロフィーを渡された。多分ガラスでできていて、冷たくて少し重くて、落として壊してしまわないか心配だった。そして、ふたりとの距離が近かった。

 

楽屋に帰ると賞金や賞品が待っていた。すべて合わせると結構な額になるのだが、じゃんじゃんもらえるので、ありがたみを正確に認識できなかった。トップ賞の賞品はダイヤのネックレス(ダサい)とグッチの時計とサムソナイトのキャリーケース。キャリーケースは持ち帰るには大きいので、後日届けてもらえるということだった。

 

16万円が入った少し厚い封筒を持って帰りの新幹線の切符を買う。ついグリーン車にランクアップしそうになり思いとどまった。放送終了までは結果を周囲に言うことは禁止されている。番組の中でトップ賞予想とかあるからね。車内の2時間半、めちゃくちゃ長かった。誰にも連絡できない。もう朝日ジュニア年鑑を読む必要もない。激しい興奮状態で、長い長い静岡県が終わるのを待った。

 

▪️勉強の意義について
今回の私の正答数は10だった。過去問で似たようなものがあってわかったのが3問ほど(クレームブリュレ、小手、飛んで火に入る夏の虫)。もともと知っていた知識を問われた問題もいくつか。ただ、何問かは、予習した範囲から出た。だから一応、勉強には意味があったと言える。

 

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ジュラシックパーク公開年、1993年(ヒントのJリーグ開幕でわかった)

 

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虫好きの歌舞伎役者で俳優、香川照之

 

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ノートルダム寺院の建築様式、ゴシック様式(ここにはメモってないけど)

 

出題範囲について周りからよく聞かれた。そんなものない。ネットの過去問がまとまっているサイトをよく見て、だいたいの範囲や難易度を把握するしかなかった。例えば、国語は慣用句やことわざを問うものがよく出る。理系分野なら、植物や魚類の分類を問うもの、元素記号を問うもの、一桁の素数はいくつあるか、といったような問題もあった。地理と歴史は高校で習うような問題が多かった。時事問題は毎日ヤフーニュースの各分野を読んでいればこと足りると思う。カクテルに使うお酒や、紙幣・硬貨の図案や材料といった雑学もそれなりに出る印象。とにかくこれは自分で考えて勉強するしかなかった。

 

そういえば、収録の一週間前に髪を切りに行ったのだが、美容師さんが与論島に旅行してきたみやげ話をしてくれた。6つの島が挙げられて、中から沖縄県ではない島を選ぶ問題が出たとき、もう選択肢を見なくとも与論島が答えだとわかり、やっぱりそうだった。

 

▪️余談
収録のあとしばらく、飲食店で鳴っていた何らかの電子音が、パネルがひっくり返る音に聞こえた。マクドナルドのアルバイトが、ポテトが揚がるのを知らせる電子音を別の場所でも拾ってしまう現象と同様だと思う。

 

▪️おわりに
以上が私のアタック25参戦記だ。クイズの勉強に付き合ってくれた家族や、応援してくれた友達や同僚、一緒に戦った20代の共演者、休みを取らせてくれた職場、などなど、みなさんに感謝しています。放送中から結果判明後、友達や親戚がたくさん連絡をくれて、本当にうれしく思いました。真剣に準備しすぎたため、いまは燃え尽き症候群っぽくなってしまっているのですが、賞金の16万円を使い切った頃に、また何か楽しいことを見つけてがんばろうと思います。ありがとうございました。